改正入管法が公布施行されます
さる平成28年11月28日の、第192回臨時国会において
「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」が成立しました
同月28日に改正法が素早く公布されました
この法改正によって、大きく2つの事項が改正強化されました
そのうちの1つが
「いわゆる偽装滞在者の問題に対処するために,
罰則の整備及び在留資格取消制度の強化を行うこと」です。
日本に合法的に在留するためには、有効な在留資格を得ることが必要とされますが
そのためには、本国での卒業証明書や在職証明書等の資料の提出が求められます
しかし、残念なことに、不正に在留資格を得る目的のために
偽装した卒業証明書や虚偽の雇用証明書等を提出するケースが
多く見られるということが言われています
そうした実態に適切に対処するために,
偽装滞在者への対策を強化する改正が行われました
偽装滞在者に係る罰則の強化
偽装滞在者に係かかる罰則が強化されることとなりましたが
その対象となるものとして次の者が明記されました
㈠偽りその他不正の手段により
①上陸許可を受けて上陸した者
②在留資格の変更許可を受けた
③在留期間の更新許可を受けた者
④永住許可を受けた者
㈡営利目的で上記①から④の行為の実行を容易にした者
並びに法定刑として
3年以下の懲役又は禁錮
300万円以下の罰金
のいずれか又は両方が明記されました
特に,営利目的で上記㈠①から④のような行為を行うことを容易にした者については,
通常の幇助犯処罰の刑(正犯の法定刑の半分)よりも重い3年以下の懲役
又は300万円以下の罰金のいずれか又は両方を科すものとされたことは注目
残念ながら私たちの同業者で、不正な在留資格取得に
加担する形になってしまう方がいるということがこうした改正の
背景の一端とも言われています
在留資格取消制度が強化されます
在留資格取消事由の新設
これまでは在留資格に応じた活動を3か月以上行っていない場合には
在留資格の取消しが可能とされていましたが,
今回の法改正によって,3か月経たない場合においても,
「在留資格に応じた活動を行っておらず」かつ,
「他の活動を行い又は行おうしている場合」には,
在留資格を取り消すことが可能となりました
例えば、料理人として「技能」の在留資格が許可されているにも関わらず
工事現場で作業員として実際は働いている(働こうとしている)場合
などは即座に在留資格が取り消されるということになります
調査主体の追加
また、在留資格を取り消すかどうかを判断する前提となる事実の調査は
これまで「入国審査官」だけの権限でしたが
法改正によって「入国警備官」も行えるようになり
在留資格取消に対してより迅速な対応が可能となりました
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